障害手当金

障害厚生年金を受給できる障害の程度にはないけれど、ある程度の障害の状態にある人にも支給されるのが障害手当金です。障害厚生年金とは違い、一時金の形で支給されます。

障害手当金の支給要件

次の要件をすべて満たせば障害手当金が支給されます。

  • 疾病にかかり、または負傷し、かつその傷病に係る初診日において被保険者であり、初診日の前日において保険料納付要件(一般的な障害厚生年金の支給要件を参照)を満たしていること
  • 初診日から起算して5年を経過する日までの間に、その傷病が治っていること(傷病が治ってはいないが症状が固定し、治療の効果が期待できない状態を含む)
  • 傷病が治った日において、その傷病により厚生年金保険法施行令別表第2に示す障害の状態にあること

厚生年金保険法施行令別表第2に示される障害の状態

  1. 両眼の視力が0.6以下に減じたもの
  2. 一眼の視力が0.1以下に減じたもの
  3. 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  4. 両眼による視野が2分の1以上欠損したもの又は両眼の視野が10度以内のもの
  5. 両眼の調節機能及び輻輳機能に著しい障害を残すもの
  6. 1耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの
  7. 咀嚼(そしゃく)又は言語の機能に障害を残すもの
  8. 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
  9. 脊柱の機能に障害を残すもの
  10. 1上肢の三大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残すもの
  11. 1下肢の三大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残すもの
  12. 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
  13. 長管状骨に著しい転位変形を残すもの
  14. 1上肢の2指以上を失ったもの
  15. 1上肢のひとさし指を失ったもの
  16. 1上肢の3指以上の用を廃したもの
  17. ひとさし指を併せ1上肢の2指の用を廃したもの
  18. 1上肢のおや指の用を廃したもの
  19. 1下肢の第1趾又は他の4趾以上を失ったもの
  20. 1下肢の5趾の用を廃したもの
  21. 前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
  22. 精神又は神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの

障害手当金が支給されないケース

支給要件を満たしている場合でも、障害の程度を定める日において、次のいずれかに該当している場合は障害手当金は支給されません。

  • 年金たる保険給付の受給権者(最後に障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害厚生年金の受給権者は除く)
  • 国民年金法による年金たる保険給付、共済組合が支給する年金たる給付、私立学校教職員共済法による年金たる保険給付の受給権者(最後に障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者、その他政令で定める者は除く)
  • 同一傷病について、国家公務員災害補償法、地方公務員災害補償法若しくは同法に基づく条例、公立学校の学校医、学校歯科医および学校薬剤師の公務災害補償に関する法律若しくは労働基準法第77条の規定による災害補償、労働者災害補償保険法の規定による障害補償給付若しくは障害給付または船員保険法による障害を支給事由とする給付を受ける権利を有する者

障害手当金の額

障害手当金の額は、原則として障害厚生年金の額の規定(障害厚生年金の年金額を参照)により算出した額を2倍した額となります。

ただし、次の点で老齢厚生年金の場合とは異なる扱いとなります。

  • 物価スライド特例措置の適用はありません。
  • 給付乗率は、7.125/1000、5.481/1000(従前額保障の場合は7.5/1000、5.769/1000を使用)のみを使用し、生年月日による読み替えはしません。
  • 障害手当金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは、これを300とします。
  • 障害手当金の支給事由となった障害に係る傷病の治った日の属する月後における被保険者期間は、障害手当金の額を計算する際には含めません。
  • 計算した障害手当金の額が物価スライド特例措置を適用せずに計算した障害基礎年金の額の4分の3相当額の2倍(つまり障害基礎年金の額の1.5倍相当額)に満たないときは、その額が障害手当金の額になります。

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