併合認定

障害厚生年金受給権者に対して、さらに障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金が支給されます。これを併合認定といいます。

ただし、どちらの障害とも障害等級1級又は2級に該当するものでなければ併合認定は行われません。しかしながら、受給権取得当時に障害等級1級、2級に該当していれば、障害の程度が軽減して3級に改定されていたり、3級にも該当しなくなって支給停止となっている場合でも併合認定は行われます。

前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金の受給権を取得した場合は、従前の障害厚生年金の受給権は消滅します。

3級の場合は併合されない

先発が2級の障害厚生年金、後発が3級の障害厚生年金の場合
前後の障害を合わせると1級に該当するとき、2級の障害厚生年金の額が改定され、しかも3級の障害厚生年金は失権しないため、どちらかを選択しなければなりません。
先発が3級の障害厚生年金、後発が2級あるいは3級の障害厚生年金の場合
前後の障害を合わせると1級あるいは2級に該当するとき、後発の障害が基準障害となり、1級あるいは2級の障害厚生年金の額に改定され、しかも3級の障害厚生年金は失権しないため、どちらかを選択しなければなりません。

つまり、3級の障害厚生年金については併合認定の余地がなく、さらに受給権が消滅することもないので、障害厚生年金の受給権者に3級の障害厚生年金の受給権が発生したときは、どちらかを選択することになります。

旧法と新法

昭和36年4月1日以後に受給権が発生した旧法の障害年金
この受給権者に対して新法の障害厚生年金が発生したときは、前後の障害を併合した程度による障害厚生年金が支給されます。旧法の障害年金は併合による改定は行われず、失権もしないので併合認定された新法の障害厚生年金か、旧法の障害年金のどちらかを選択することになります。
昭和36年4月1日より前に受給権が発生した旧法の障害年金
この受給権者に対して新法の障害厚生年金が発生したときは、前後の障害を併合しない後発の障害厚生年金が支給されます。旧法の障害年金は併合による改定が行われ、失権もしないので併合されない新法の障害厚生年金か、併合による改定が行われた旧法の障害年金のどちらかを選択することになります。

先発の障害厚生年金が支給停止の場合

先発障害厚生年金支給停止

期間を定めて支給を停止されている障害厚生年金(受給権を取得した当時から引き続き1級又は2級に該当しない程度の状態にある受給権者係るものを除く。つまり、最初から障害等級3級の障害厚生年金の受給権者を除く。以下同じ。)の受給権者に対してさらに障害厚生年金を支給すべき事由が発生したときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金は、従前の障害厚生年金の支給を停止すべきであった期間、その支給を停止するものとし、その間その者に従前の障害を併合しない障害のの程度による障害厚生年金が支給されます。

先発障害の障害厚生年金が支給停止されていなければ、後発の障害厚生年金の受給権が発生した時点で併合認定された障害厚生年金が支給され、従前の障害厚生年金の受給権は消滅しますが、支給停止となっているため、後発の障害厚生年金が本来の年金額で先発の支給停止期間終了まで支給されます。支給停止期間が終了すれば、併合認定が行われます。

後発の障害厚生年金が支給停止の場合

後発障害厚生年金支給停止

障害厚生年金(障害等級1級及び2級に限る)の受給権者がさらに障害厚生年金の受給権を取得した場合において、新たに取得した障害厚生年金が労働基準法第77条の規定による障害補償を受けることによる支給停止であるときは、その支給停止すべき期間、その者に対して従前の障害厚生年金が支給されます。

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