障害厚生年金の概要

厚生年金保険の被保険者であったときに傷病により障害が残ってしまい、再び働くことが困難になって収入が途絶えたり、激減することによる生活費補填の給付が障害厚生年金です。

障害厚生年金を受給できる要件を満たすことができない人に、範囲を少し広げて支給する障害手当金という給付もあります。

障害厚生年金と障害基礎年金

国民年金にも障害が残った場合に支給される障害基礎年金があります。もちろん要件が揃えば障害基礎年金と障害厚生年金は同時に支給(併給)されることがあります。障害基礎年金と障害厚生年金の大きな違いは、カバーする障害の程度が障害基礎年金では1級と2級、障害厚生年金では1級、2級と3級です。障害等級1級、2級は国民年金法、厚生年金保険法どちらも同じ障害の状態で、障害厚生年金の3級はそれより軽い障害の程度となります。

初診日と障害認定日

障害厚生年金ではいつケガをしたか、いつ病気を発症したかが問われます。また、その傷病で障害が残ったと判定される日も重要となります。ケガを負った日や病気を発症した日は当然医師の診察を受けていなければ証明することができません。その治療、診察した日を初診日といいます。また、初診日から1年6月を経過した日、またはその1年6月の間に傷病が治った場合(治ってはいないが、症状が固定し治療の効果が期待できない場合も含みます)には、その治った日を障害認定日といい、その日に障害等級に該当するか否かを判定します。

複数の障害が残ったら

傷病の種類や程度によっては、体の複数の部位に障害が残る場合が考えられます。年金たる保険給付は原則として1人1年金ですから、複数部位の障害を併合して1つの障害とします。すでに障害があって、さらに別の傷病で障害が残った場合でも、従前の障害と新しい障害を併合して1つの障害と見なして支給されます。

障害厚生年金の年金額

65歳からの老齢厚生年金は老齢基礎年金の受給要件を満たしていれば1月の被保険者期間でも支給されます(もちろん極わずかです)が、障害厚生年金では障害を負って働きづらくなることを考慮して、最低保障の仕組みがあります。また、老齢厚生年金と同様に配偶者に対する加給年金額も加算されます。

障害厚生年金は支給停止されることがある

障害の状態は固定されて良くもならないが悪くもならないことがありますが、時間の経過によっては障害の状態が改善されたり、悪化したりすることがあります。障害厚生年金は障害等級が1級から3級までの人に支給されますが、3級より軽くなると年金の支給は停止されます。さらに、一定期間3級より軽い状態が続くと受給資格を失うことになります。

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