事後重症による障害厚生年金の支給要件

事後重症による障害厚生年金

事後重症とは、最初の障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態になかったものが、65歳に達する前に障害等級に該当することをいいます。ここで注意したいのは、老齢基礎年金または老齢厚生年金を繰り上げて受給している受給権者には、事後重症による障害厚生年金を請求することはできません。

被保険者に関する要件

一般の障害厚生年金と同様に、疾病にかかり、または負傷し、その疾病または負傷及びこれらに起因する疾病につき初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(つまり初診日)において被保険者でなければなりません。

障害に関する要件

障害認定日において、障害等級1級、2級、または3級に該当する程度の障害の状態でなかったものが、65歳に達する日の前日までに状態が悪化して障害等級1級~3級に該当するに至ったときは、障害厚生年金の請求ができます。

一般的な障害厚生年金と同様に、障害厚生年金の裁定請求書には、障害の状態の程度に関する医師又は歯科医師の診断書等のほか、障害が呼吸器系結核、肺化膿症、珪(けい)肺(これに類するじん肺症を含む)、その他認定または診査に際し必要と認められるものによるものであるときは、その障害の状態の程度を示すレントゲンフィルムを添えなければなりません。

保険料納付に関する要件

保険料納付要件

保険料納付要件は一般的な障害厚生年金と同様です。

初診日にの前日において、初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があるときは、その被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間がその被保険者期間の3分の2以上であることが要件です。

国民年金の被保険者期間とは、厚生年金保険等の被用者年金制度の加入期間のうち、昭和36年4月前の期間、20歳未満および60歳以後の期間も国民年金の被保険者期間と見なします。

この保険料納付要件は、前提として「国民年金の被保険者期間があるときは」とされていますから、図のように初診日の前月に被保険者の資格を取得した場合などは、初診日の属する月の前々月までには国民年金の被保険者期間はありませんから、この要件は適用されません。

保険料納付要件の経過措置
初診日が平成38年4月1日前にある傷病による障害については、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの1年間に保険料納付済期間および保険料免除期間以外の国民年金の被保険者期間(つまりは滞納期間)がなければ、保険料納付要件は満たされます。ただし、初診日において65歳以上である時は適用されません。

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