養育期間標準報酬月額の特例

3歳未満の子を養育する、または養育していた被保険者または被保険者であった者が、子を養育することとなって標準報酬月額が減少した場合、老齢厚生年金の年金額が減ってしまいます。そこで、この特例は、要件を満たす被保険者または被保険者であった者について、減少した標準報酬月額より前の標準報酬月額を老齢厚生年金の年金額の計算する基礎となる標準報酬月額と見なすものです。

養育期間標準報酬月額の特例が適用される要件

養育特例

次の要件を満たすことが必要です。

  • 3歳に満たない子を養育し、又は養育していた被保険者又は被保険者であった者(以下「被保険者等」づという)について、当該子を養育することとなった日(厚生労働省令で定める事実()が生じた日にあっては、その日)の属する月から次のいずれかに該当するに至った日の翌日の属する月の前月までの各月のうちに、従前標準報酬月額を下回る月(下記2の申出が行われた日の属する、月前の月にあっては、当該申出が行われた日の属する月の前月までの2年間のうちにあるものに限る)があること。
    1. 当該子が3歳に達したとき。
    2. 被保険者の資格を喪失したとき。
    3. 当該子以外の子について当該特例の適用を受ける場合における当該子以外の子を養育することとなったときその他これに準ずる事実として厚生労働省令で定めるものが生じたとき。
    4. 当該子が死亡したときその他当該被保険者が当該子を養育しないこととなったとき。
    5. 当該被保険者が保険料の免除の対象となる育児休業等を開始したとき。
  • 当該被保険者等が、厚生労働大臣に申出(被保険者にあっては、その使用される事業所の事業主を経由して行うものとする。)をすること。

厚生労働省令で定める事実とは、次の事実をいいます。

  • 3歳に満たない子を養育する者が新たに被保険者の資格を取得したこと。
  • その期間中に保険料の免除の適用を受ける育児休業等を終了した日の翌日が属する月の初日が到来したこと。
  • 当該子以外の子に係る当該標準報酬月額の特例の適用を受ける期間の最後の月の翌月の初日が到来したこと。

養育期間標準報酬月額の特例が適用されるとどうなる?

育児休業等終了時改定を行うと、標準報酬月額は低下します。保険料を計算する上では実際の報酬月額に沿ったものですから、被保険者にとってはありがたいと思います。しかし、標準報酬月額が低下することで老齢厚生年金の年金額を計算する上では、標準報酬月額の低下は年金額の低下を意味しますから、被保険者としては痛いところです。ここで、この特例は休業前の標準報酬月額(従前標準報酬月額といいます。)を下回る月があるときは従前標準報酬月額をその月の標準報酬月額と見なして年金額の低下を防ぐことができます。

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