被保険者になれない場合
適用事業所に使用される労働者は全員強制的に厚生年金保険に加入しなければならないのではなく、加入できない労働者もいます。
強制適用事業所は次の通りです。
- 適用業種である事業の事業所であって、常時5人以上の従業員を使用するもの
- 前号のほか、国、地方公共団体または法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの
- 船員法第1条に規定する船員として船舶所有者に使用される者が乗り組む船舶
国、地方公共団体又は法人の事業所に使用される者のうち除外される者
- 恩給法第19条に規定する公務員及び同条に規定する公務員と見なされる者
- 法律によって組織される共済組合の組合員
- 私立学校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者
1の公務員及び公務員と見なされる者は現行法では存在しません。
臨時に使用される者(船員を除く)
- 日々雇い入れられる者
- 2ヶ月以内の期間を定めて使用される者
ただし、1の者については1ヶ月を超えて引き続き使用される場合、2の者については所定の期間を超えて引き続き使用される場合は被保険者となります。
所在地が一定しない事業所に使用される者
サーカスや巡業の演劇などが該当します。恒常的に使用されていても厚生年金保険の被保険者にはなれません。
季節的業務に使用される者(船員を除く)
使用される期間が季節的に定まっている労働者(たとえば杜氏)は、4ヶ月以内の契約であれば被保険者とはなりません。ただし、当初から4ヶ月を超えて継続して使用される場合は最初から被保険者となります。
臨時的事業に使用される者
使用される期間が6ヶ月以内の臨時的事業(たとえば博覧会)に使用される労働者は被保険者とはなりません。ただし、当初から6ヶ月を超えて継続して使用される場合は最初から被保険者となります。
外国の法令の適用を受ける者
外国人で厚生年金保険と同等である本国の法令の適用を受ける者は被保険者から除外されます。しかし、これに関する政令は現在のところありません。