脱退一時金
脱退手当金は古い制度としてあり、国籍の別は問われませんが、脱退一時金は日本国籍を有していない人のみに適用される厚生年金保険脱退制度です。
したがって、日本国籍を有している人は脱退手当金に該当する以外は厚生年金保険から脱退することはできません。
脱退一時金の支給要件
次の要件をすべて満たしたとき、脱退一時金が支給されます。
- 被保険者期間が6か月以上あること
- 日本国籍を有しない者であること
- 国民年金の被保険者でない者であること
- 日本国内に住所を有しないこと
- 老齢厚生年金その他の老齢給付の受給資格期間を満たしていない者であること
- 障害厚生年金その他政令で定める給付の受給権を有したことがないこと
- 最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日から起算して2年を経過していないこと
6か月以上で比較的短期の滞在を繰り返す場合、その都度脱退一時金を請求することができます。
脱退一時金の支給額
脱退一時金の額は、被保険者であった期間の平均標準報酬額に支給率を乗じた額になります。支給率は被保険者喪失月の前月が属する年の前年10月の保険料率に2分の1を乗じた率に被保険者期間に応じた数を乗じたものとなります。
平均標準報酬額とは?
被保険者期間中の標準報酬月額及び標準賞与額を合計し、被保険者期間の月数で除した額をいいます。
ただし、平成15年3月31日以前の被保険者期間については、平成15年3月までの被保険者期間各月の標準報酬月額の合計を1.3倍して計算します。
被保険者期間 | 支給率 |
---|---|
6月以上12月未満 | 6 |
12月以上18月未満 | 12 |
18月以上24月未満 | 18 |
24月以上30月未満 | 24 |
30月以上36月未満 | 30 |
36月以上 | 36 |
脱退一時金の支給効果
脱退一時金を受けたときは、その額の計算の基礎となった被保険者であった期間は、被保険者でなかったものとみなされます。
不服申立
脱退一時金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができます。